用紙搬送部―定着部
- 定着部
- 転写紙上のトナーは不安定なため、熱または熱と圧力(ニップ圧)を同時に加え、トナーの樹脂成分を溶着させる事で定着させる。方式として、ローラ定着・フィルム定着・フラッシュ定着などがある。
- ローラ定着
- 筒状の金属を芯材としてシリコン等で薄くコーティングした「定着ローラ」と、棒状の金属を芯材としてシリコン等を厚くコーティングした「加圧ロー
ラ」の組み合わせにより、トナーの定着を行う。ローラ自体が保温材を兼ねており、定着温度の安定性が比較的高いのと、ニップ圧を比較的管理しやすいため、
高速機やカラー機に多く使われている。しかし、保温材であるローラが規定温度に達するまでに時間がかかるため、立ち上がり時間が長いというデメリットもあ
る。発熱材としては、長い間ハロゲンランプが使われていたが、近年ではIH方式(誘導加熱による方式)が主流になりつつある。
- フィルム定着
- 定着ローラのかわりに、セラミックヒータと筒状フィルムを組み合わせた方式。多くの場合、加圧はローラ定着方式と同じく加圧ローラを使う。保温材
が加圧ローラしか無いため、セラミックヒータが発する熱を直接定着に使う。そのため、立ち上がり時間は非常に短い。温度保持特性や耐久性においてローラ定
着方式に劣るため、多くの場合は、普通紙による文書がメインのビジネス向けレーザ機に使われる。
- フラッシュ定着
- キセノン管を使用したフラッシュ光を凹面鏡等で集光し、その熱でトナーを溶解させて定着させる方式。装置が非常に大掛かりであり、それによって機
器も非常に高価となるため、一般的なオフィス向け複写機には使われない。用紙に対して触れる物が無いため、用紙へのダメージ(シワ・再転写等)が無く、ス
ピードも非常に高速である。また、光量や照射時間を細かくコントロールすることによって、定着性のコントロールがきめ細かくできる。
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